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令和 3年 9月24日議会活性化検討会−09月24日-01号
令和 3年 9月24日大都市税財政制度・都市問題等特別委員会-09月24日-01号

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  1. 熊本市議会 2021-09-24
    令和 3年 9月24日大都市税財政制度・都市問題等特別委員会-09月24日-01号


    取得元: 熊本市議会公式サイト
    最終取得日: 2022-11-22
    令和 3年 9月24日大都市税財政制度都市問題等特別委員会09月24日-01号令和 3年 9月24日大都市税財政制度都市問題等特別委員会            大都市税財政制度都市問題等               特別委員会会議録 開催年月日   令和3年9月24日(金) 開催場所    予算決算委員会室 出席委員    12名         大 石 浩 文 委員長    田 上 辰 也 副委員長         古 川 智 子 委員     吉 田 健 一 委員         平 江   透 委員     荒 川 慎太郎 委員         光 永 邦 保 委員     福 永 洋 一 委員         井 本 正 広 委員     小佐井 賀瑞宜 委員         田 中 誠 一 委員     藤 山 英 美 委員 議題・協議事項   大都市における税財政制度及び都市問題に関する調査                             午前10時00分 開会 ○大石浩文 委員長  ただいまから大都市税財政制度都市問題等特別委員会を開会いたします。
     本日は、「大都市財政の実態に即応する財源の拡充についての要望通称青本)」及び「指定都市移行後の検証」について調査を行うためお集まりいただきました。  それでは、調査の方法についてお諮りいたします。  調査の方法としては、まず初めに、本年度の青本の概要について執行部説明を聴取し、質疑及び御意見を伺いたいと思います。その後、前回、執行部お願いしておりました指定都市移行後の検証について執行部説明を聴取し、質疑及び御意見を伺いたいと思いますが、御異議ございませんか。         (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○大石浩文 委員長  御異議なしと認め、そのように執り行います。  それでは、まず、本年度の青本の概要について執行部説明を求めます。 ◎黒木善一 財政課長  資料1をお願いいたします。  私からは、指定都市令和4年度大都市財政の実態に即応する財源の拡充についての要望通称青本)について説明させていただきます。  少し長くなりますので、着座にて失礼いたします。  第2回定例会説明がありました白本が政府の予算要求に先駆けての要望であるのに対しまして、この青本につきましては、年末の税制改正、それから地方財政計画策定等に向けて要望を行うものでございます。  1ページから2ページにかけまして、重点要望事項としまして、税制関係で3項目、それから、財政関係国庫補助負担金改革等項目要望したいと考えております。  内訳については、後ほど、後ろのページ説明させていただきます。  2ページの方に今後の進め方についてまとめておりますが、本日、この特別委員会におきまして青本の重点要望事項最終案について御確認いただきました後、市長及び議長の決裁をいただきたいと考えております。  その後、10月15日に開催されます税財政関係特別委員長会議、これはウェブ会議でございますけれども、今後の進め方等について御議論いただくことになっておりまして、10月の中旬ないし下旬から、各指定都市市長議長等による要望活動を行うものでございます。  3ページには、今後の要望活動についてのスケジュール、それから担当市等々を取りまとめてございます。  1番の政府及び政党につきましては、幹事市であります大阪市、それから、政府税制調査会等々につきましては指定都市市長会事務局で対応するというような運びになっております。  それでは、内容について説明させていただきます。  7ページに前文がありまして、指定都市の全市長、それから全議長の連名で要望を行うということで、前文がつけてございます。  それから、8ページからが要望に向けた背景でございます。  まず、8ページにおきましては、①で大都市特有財政需要による高い歳出水準ということで、一般的に、市の人口規模が大きくなるに従いまして、スケールメリットが働きますので、人口1人当たり歳出額というのは減少する傾向にございます。しかしながら、特例市、中核市、指定都市におきましては、それぞれ都道府県からの権限移譲がございまして、その権限に見合う歳出を行っておりますことから、人口1人当たり歳出構造としましては、各項目歳出の水準が高くなる傾向があるということでございます。  ②の方で特例事務に係る税制上の措置不足ということで、左側に約4,000億円、指定都市合計権限移譲に伴う事務の所要一般財源がございますが、それに対する税制上の措置としましては1,500億円程度しかなされておらず、税制上の措置不足が2,500億円程度あるという状況でございます。  したがいまして、措置不足について、税制改正等によりまして財政措置を行っていただきたいという内容の要望になっております。  また、9ページでは、指定都市の厳しい財政状況ということで、人口1人当たり地方債残高、それから実質公債費比率経常収支比率、いずれも低い方が健全な財政状況と言われる指標でございますが、いずれの指標も指定都市の水準が一番高くなっているという状況でございます。  したがいまして、こういった状況を改善するために、大都市の特性に合った税財政制度の構築が必要ということでございます。  それから、10ページ、11ページにつきましては、重点要望事項の内容が記載してございますが、これは後ほど後ろのページ説明させていただきます。  それから、12ページ、13ページにつきましては、重点以外の要望事項ということで、税制関係で記載の6項目、それから13ページの中ほどでございますが、財政関係で2項目要望事項を記載してございます。  それでは、本日は、重点要望事項の内容について、詳細に説明させていただきたいと考えております。  16ページお願いいたします。  真の分権社会の実現のための国・地方間の税源配分の是正ということで、(1)で、消費税等の複数の基幹税から税源移譲を行い、国と地方間の税の配分をまずは5対5とし、さらに、国と地方役割分担を抜本的に見直した上で、税の配分を行っていただきたいということでございます。  また、(2)におきましては、地方自治体間の財政力の格差の是正につきましては、法人住民税などの地方税収を減ずることなく、国税からの税源移譲、それから地方税財源拡充の中で、地方交付税なども含め一体的に行うことという内容でございます。  17ページの図を御覧いただきますと、現行、国と地方が徴収する税の配分は、地方が4割、それから国税が約6割という状況になっております。しかしながら、実質的にどういう使われ方をしているかということになりますと、国税から地方交付税等地方に税源の配分がなされます関係で、実質的に使っている税につきましては、地方が7割、国が3割という状況でございます。  これは、徴収する内容と実際に使う内容に乖離があるということで、下の図でございますが、当面は地方税の割合を高めて、まずは5対5にと、それから、さらなる税源移譲によりまして、実際の役割分担に見合った税の配分を行っていただきたいという趣旨の要望となります。  それから、18ページでございますが、大都市特有財政需要に対応した都市税源拡充強化ということで、これは大都市特有財政需要に対応するため、特に、消費税等流通課税及び法人所得課税配分割合を拡充するという要望でございます。  中ほどの図表を御覧いただきますと、都市的課題ということで、例えば12時間の平均の交通量でありましたり、下から2段目の生活保護率等につきましては、大都市の方が非常に財政需要が高い傾向にございます。また、最下段にありますとおり、人口1人当たり土木費、それから人口1人当たり民生費、これにつきましては権限移譲の関係もありまして、一般市と比較しますと、それぞれ1.31倍、1.2倍の都市的な財政需要があるという状況でございます。  しかしながら、19ページの上段の図を御覧いただきますと、基幹税である消費流通課税につきましては、ほとんどが国税という状況になっておりまして、こういった状況に鑑み、都市的な財政需要に対応するために、こういった消費流通課税、それから法人所得課税配分割合指定都市に高めていただきたいという要望でございます。  下段には、活発な消費流通活動及び法人の事業活動ということで、人口、それから従業者等々、指定都市の割合は全国で2割から3割のシェアを占めているという状況もございますので、こういった都市的な財政需要に見合う税源を適切に移譲していただきたいという要望でございます。  それから、20ページにまいりまして、事務配分の特例に対応した大都市特例税制の創設ということで、都道府県から指定都市に移譲されている事務権限に見合った税源移譲を行っていただきたいということで、大都市特例税制を創設していただきたいという要望でございます。  21ページの方で、先ほども御説明いたしましたが、4,000億円程度権限移譲に伴う所要一般財源があるのに対し、税制上の措置としては1,500億円程度しかなされておりませんので、都道府県から指定都市への税源移譲を行っていただきたいという要望でございます。  それから、22ページからが財政関係要望でございますが、1つには国庫補助負担金の改革というものでございます。  これは、(1)にありますとおり、国と地方役割分担の見直しを行った上で、国が担うべき分野については、必要な経費を全額国負担すると、それから地方が担うべき分野については、国庫補助負担金を廃止し、所要額税源移譲していただきたいという要望でございます。  また、(2)の方では、税源移譲されるまでの間、地方が必要とする国庫補助負担金の総額を確保し、地方にとって自由度が高い制度とするべきというような要望項目でございます。  この要望イメージが23ページにございますけれども、現行、一定の補助率を決めて、国庫補助負担金というものが都道府県・市町村に交付されておりますけれども、国が担うべき分野については必要な経費を全額国負担し、地方が担うべき分野については税源移譲により対応すべきという内容でございます。  それから、24ページからが国直轄事業負担金の廃止ということで、これは先ほど項目ともかぶりますけれども、国が行うこととされた国直轄事業については、地方負担を廃止していただきたいという要望でございます。  25ページを御覧いただきますと、現行、例えば国道3号線とか、国直轄で実施される国県道等の整備、それから港湾の整備等々につきましては、一定の割合で指定都市から国直轄事業に対する負担金というものがございます。その負担割合につきましては、おおむね3割強という事業費負担を行っている状況でございますので、こういった国直轄事業負担金については廃止していただきたいという要望でございます。  それから、26ページ地方交付税必要額の確保と臨時財政対策債の廃止という項目でございます。  地方交付税は、地方固有の財源であるという状況でございますし、逆に、新型コロナウイルス感染症感染拡大を契機として、経常的に見込まれる財政需要というものがございますので、こういった必要な財政需要については、必要な財政措置を行っていただきたいという内容でございます。  また、(2)では、地方財源不足の解消は、地方交付税法定率の引上げにより対応すべきということで、臨時財政対策債は速やかに廃止していただきたいという内容でございます。  27ページを御覧いただきますと、三位一体改革の前の地方交付税状況と近年(令和2年度)の地方交付税状況でございますが、三位一体の改革の前の平成15年度につきましては、全国総額で18兆円程度の地方交付税が交付されておりましたけれども、令和2年度は16兆5,000億円余りということで、8.2%程度、当時から削減されている状況でございます。  また、指定都市地方交付税の総額を見ますと、平成15年度は9,433億円であったものが、令和2年度におきましては7,105億円ということで、24.7%の通常の水準、全国の総額を大きく上回る削減率ということになっております。  また、下段には臨時財政対策債の総額がございますけれども、地方交付税臨時財政対策債シェアとしましては、臨時財政対策債が約15.9%という全国の総額でございますが、指定都市だけの水準を見ますと、4割近くが臨時財政対策債による措置ということでなされておりますので、こういった状況を改善していただきたいという要望の内容でございます。  28ページには、地方債の総額に占めます臨時財政対策債の残高ということで記載してございます。  令和元年度末の水準を見ますと、一般会計市債指定都市の合計が約17兆9,000億円でございますけれども、このうち臨時財政対策債が6兆4,000億円余りを占めるということで、地方債残高の35.9%を占めるという状況になってきております。  下のグラフにもありますとおり、市債総額に占める臨時財政対策債の総額がどんどん増えてきている状況でございますので、こういった状況を改めていただきたいという要望を行うものでございます。  29ページ以降は、先ほど説明しました要望事項詳細説明となっておりますけれども、本日は重点事項説明にとどめさせていただきたいと考えております。後ほど御参照いただければと思います。  説明は以上でございます。 ○大石浩文 委員長  以上で説明は終わりました。  ただいまの説明について、質疑、御意見等はございませんか。 ◆小佐井賀瑞宜 委員  私の方から、ちょっと国の方にしっかりとお願いを、お願いというよりも意見を述べていただきたいと思っておりますのは地方交付税ですね。  小泉さんの20年前からの改革によって、20兆円台あったやつがどんどん目減りして、そして令和2年度で16兆円台、今回、今年度が17.4兆円台で、当初で確保されていたと思います。次年度はまた、今度は1兆円ほど削減されるのではないかというような話が財政諮問会議の中で出ていたような気がいたします。こういう形で、上げたり下げたりをそのまま何か維持するような形で、何か正当化するようにしかちょっと見えないような感覚を覚えております。  ですから、地方交付税は、やはりしっかりとこれは、本来であるならば、もともと20年前の水準まで戻すというぐらいのような考え方で、強く提言を申し上げていただきたいなというふうに思っております。  意見という形で捉えていただければ結構です。  以上です。 ○大石浩文 委員長  よろしいですか。  ほかにございませんか。         (発言する者なし) ○大石浩文 委員長  ほかになければ、次に、指定都市移行後の検証について執行部説明を求めます。 ◎田中俊実 政策局長  本市が政令指定都市に移行しまして10年目の節目を迎えようとしておりますけれども、議員各位から、また前回の本委員会では荒川委員から、これまでの実績や取組について検証が必要であるといった御意見をいただいているところでございます。  そこで、本委員会におきまして、指定都市移行後の検証について御報告させていただきたいと考えております。  指定都市移行に伴います市政の変化は、幅広い分野において多岐にわたっておりまして、その全てについて一括して御説明を申し上げるのは、時間的にも大変困難であるというふうに考えております。  そこで、本日は、資料2を用意させていただきましたので、御覧いただきたいと思います。  この資料にお示ししておりますとおり、検証項目につきまして、まずは1の財政状況、次に2の権限移譲、そして3の区役所機能、最後に4の都市イメージというふうに、テーマを4つに分けて御報告させていただければと考えております。もちろん、これら以外の項目につきましても、委員からの御意見等がございましたらば、追加等について検討させていただきたいと考えております。  以上、指定都市移行後の検証の今後の進め方について御説明させていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。 ○大石浩文 委員長  以上で説明は終わりました。  この際、本職より申し上げます。  ただいま執行部より説明がございました検証項目につきましては、当委員会調査事項となっております本市の指定都市移行の効果と課題にとって非常に重要なものであると思います。  つきましては、今後、当委員会において、この4つの検証項目を中心に、随時、委員の皆さんの御意見も伺いながら検証を進めてまいりたいと思いますが、この件について質疑、御意見等はございませんか。 ◆荒川慎太郎 委員  6月のこの委員会におきましてお尋ねした件に関しまして、早速対応いただきましてありがとうございます。  財政状況というところが、まず一番に項目に上がっておりますけれども、この10年間という期間の中では、熊本では、熊本地震と、そして現在、コロナ禍真っ最中でございますけれども、2つの大きな災害に見舞われております。まずそんな状況ですので、イレギュラーが発生していると考えますと、また検証難易度は上がるかと思いますけれども、今後どういった取組を続けていくかということに関しましては、非常に重要な検証だと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。 ○大石浩文 委員長  よろしいですか、答弁。  ほかに何かございませんか、御意見等。         (発言する者なし) ○大石浩文 委員長  では、ほかになければ、本市の指定都市移行の効果と課題については、先ほど説明がありました資料2のとおり、4つ検証項目を中心に進めることとしたいと思いますが、御異議ございませんか。         (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○大石浩文 委員長  御異議なしと認め、そのように執り行います。  それでは、本日は、1つ目財政状況に関する検証について執行部説明を求めます。 ◎黒木善一 財政課長  資料3をお願いいたします。  指定都市移行後の決算の推移についてということで取りまとめましたので、御報告させていただきます。  表紙をおめくりいただきまして、1ページでございますが、一般会計決算規模の推移を指定都市に移行する前の年、平成23年度、それから平成24年度以降が指定都市移行後の決算額というふうになっておりますけれども、その推移について御説明いたします。  棒グラフ中、青色のグラフが歳入の決算額、それから赤色のグラフの方が歳出決算額ということになっております。  一般会計決算規模につきましては、平成24年度の指定都市移行に伴います権限移譲による事業、それから平成28年度に発生しました熊本地震関連事業、また令和元年度、令和2年度におきましては新型コロナウイルス感染症関連事業影響等増加傾向にあるという状況でございます。  令和2年度の一般会計決算規模としましては、歳入が4,549億円、それから歳出が4,444億円となっておりまして、歳入歳出とも指定都市移行前の年度であります平成23年度と比較しますと約1.7倍の規模となっているところでございます。  この内訳につきまして、2ページ以降で御説明させていただきます。  2ページは、一般会計の歳入の決算推移項目ごとグラフにしたものでございます。平成23年、指定都市移行前との比較で主な増減を申し上げますと、まず、一番下のピンクのグラフであります市税につきましては、特に平成29年度に県費負担教職員、いわゆる小中学校の先生の給与負担が、それまで県が支出していたものが指定都市負担ということになりまして、こういった負担の増に伴うために、個人市民税の税率を県の方から市の方に移譲いただく形で対応しております。  したがいまして、市税の決算規模としましては、平成23年度939億円であったものが、直近の決算では、こういった要因もありまして1,169億円と、大幅に増加している状況でございます。  また、中ほど、緑色の項目でございますが、国・県の支出金、これにつきましては、指定都市移行に伴いまして国県道維持管理の業務が移譲されました。また近年では、熊本地震関連事業、それから、先ほど申し上げました県費負担教職員給与負担、さらには、直近では、新型コロナウイルス感染症関連事業等影響によりまして、非常に大きな伸びを示しているところでございます。  また、上から2段目、譲与税の青いグラフでございますが、これは指定都市移行に伴う財源移譲、それから地方交付税につきましても、権限移譲に伴う財源の増加に対応するために増加傾向にあるところでございます。  また、一番上の黄色い市債につきましても、指定都市移行に伴う国県道事業、それから近年では、熊本地震関連事業臨時財政対策債の増の影響によりまして、増加傾向という状況でございます。  3ページでは、一般会計歳出につきまして、目的別に整理してございます。  特に、令和2年度、総務費、一番下のグラフでございますが、令和2年度は、新型コロナウイルス感染症関連事業特別定額給付金事業等影響によりまして、非常に総額も増加しているという状況でございます。  また、下から2段目の民生費グラフにつきましては、障害者自立支援給付費施設型保育給付費等影響、さらには、指定都市権限移譲としまして、精神障害者関連の事務が権限移譲されておりますので、こういった影響によりまして増加しております。
     また、中ほどの土木費につきましても、指定都市移行に伴う国県道事業、それから近年では、熊本地震関連事業などの影響により増加しているところでございます。  それから、上から4段目の教育費でございますが、これは平成28年度から平成29年度に大きく増加しておりますけれども、これも先ほど説明いたしました県費負担教職員給与負担権限移譲等によりまして、教育費が大きな伸びを示しているという状況でございます。  4ページお願いいたします。  歳出決算推移性質別の推移ということでございます。これにつきましても、平成29年度に、一番下のグラフであります人件費が大きく増加しております。これは、先ほどから説明しております県費負担教職員給与負担権限移譲、それから近年では、会計年度任用職員制度導入等影響により増加しているという状況でございます。  また、下から2段目の扶助費、これは、先ほど民生費とほぼ同じ理由でございますけれども、障害者自立支援給付費等々の伸びの影響で、近年は増加傾向という状況でございます。  それから、中ほどの普通建設事業でございますが、これにつきましても、指定都市移行に伴う国県道事業権限移譲による増加、それから近年では、熊本城の整備等々の影響等もありまして増加してきている状況でございます。令和2年度は若干減少しているところでございます。  それから、青いグラフでございますが、物件費でございます。これにつきましては、熊本地震発生後に、まず災害ごみの対応がございましたので、平成28年度に大きく増加しております。  それから、上から3段目の補助費等につきましては、令和2年度に非常に大きな伸びを示しておりますけれども、これは昨年度実施しました特別定額給付金事業影響となっております。  以上、歳入歳出の決算の推移でございますが、5ページでは、財政指標に関して、この10年の推移をグラフにしております。  まず、市債残高につきましては、3つに区分して棒グラフでお示ししております。  青いグラフ通常分市債、それから平成28年度以降、赤い棒グラフでお示ししておりますのは、熊本地震影響による地震関連分の起債の現在高、それから別書きで黄色いグラフにしております臨時財政対策債でございますが、通常債はおおむね2,000億円から2,200億円の範囲で推移しておるところでございますが、平成28年度以降、熊本地震分の起債が市債残高が増加してきておる状況でございまして、令和2年度末では、地震分の残高が657億円ということになっております。  また、先ほど青本の方でも説明いたしましたが、臨時財政対策債の残高につきましても、記載のとおり、右肩上がりで増加しておる状況でございます。  また、折れ線グラフでお示ししておりますのが財政調整基金の残高でございます。指定都市移行前は、主に110億円程度保持しておったわけでございますが、熊本地震の発災で、主に50億円強取崩しを行いました。また近年では、新型コロナウイルス感染症影響で、令和元年度と令和2年度でも取崩しを行っておる状況でございまして、直近の財政調整基金の残高としましては、37億円という水準になってございます。  それから、最後の6ページが健全化判断比率の推移となっております。黄色いグラフが将来負担比率、それから緑色の折れ線グラフ実質公債費比率ということでお示しさせていただいております。  将来負担比率につきましては、市債残高と将来的に本市が負担しますこととなる、いわゆる負債の標準財政規模に占める割合でございますが、おおむね120%台で、横ばいで推移してきている状況ということでございます。  また、実質公債費比率につきましては、借金の返済が標準財政規模に占める割合ということでございますが、これにつきましては、平成23年度以降、一貫して改善傾向でございまして、直近の決算額としましては、6.0%という水準になっております。  以上が指定都市移行後の近年の財政状況説明でございます。よろしくお願いいたします。 ○大石浩文 委員長  以上で説明は終わりました。  ただいまの説明について質疑、御意見等はございませんか。 ◆古川智子 委員  説明いただきました4ページを御覧いただきたいと思います。  一般会計歳出決算推移ですね。その中で、政令指定都市へ移行して、人件費に関すること、県費負担教職員負担額の権限移譲、また、それから、令和2年度からは会計年度任用職員制度の導入などによって人件費が増加しているといったところですが、ここで財政状況とともにちょっと見てみたい部分がありまして、結果的に権限移譲しているということは、業務量も増加していると思います。その中で、職員数が政令指定都市になってどのぐらい増加というか、推移しているかといったところ、今日は総務局の方がいらっしゃらないので、もし分かればといったところをお願いいたします。 ◎黒木善一 財政課長  権限移譲に伴いまして、当然、やはり業務に派生する職員の増というのはございます。  今回、指定都市移行に見合う、権限移譲に携わっている職員数を業務ごとに積算しますと、おおむね136名程度、権限移譲に伴う業務に従事しているという状況でございます。  ただ、指定都市移行後の職員数の推移につきましては、指定都市移行前の合併の状況があったもんですから、総数自体は、ちょっと申し訳ありません、今、総務局の方に確認しないと申し上げることはできませんけれども、権限移譲に見合う職員数としては、先ほど申し上げました136人程度が権限移譲で増加した事務に従事しているという状況でございます。 ◆古川智子 委員  ありがとうございます。  もしよければ、次回でも構いません、総務の方にお願いして、どの局がどれぐらいの人数の推移があったか、お示しいただければと思います。  というのは、もちろん仕事のボリュームが増えている中、職員の方々の増加の具合によっては、実際に、業務の遂行の質ですとか、本当に落とさずそれが遂行できているかですとか、もしくは職員の生産能力が上がったのか、いろいろな要因が考えられると思いますので、ちょっとそちらの分析というか、拝見させていただければと思います。すみません、よろしくお願いいたします。 ○大石浩文 委員長  では、資料の方は、またよろしいですかね、お願いしたいと思います。  ほかにございませんか。 ◆古川智子 委員  この大都市税財政の問題というのは物すごく大きなテーマで、私自身も勉強しながらといったところなんですけれども、熊本市の大きな特徴の一つとしては、やはり自主財源が少ないということが上げられると思います。今年度からも都市計画税が0.3%に上がることで、26億円ですかね、見込まれているというようなことはお聞きして、これまでも収入を増やすための努力はされていたかと思います。  自治体の経営の仕方と、もちろん民間の経営の仕方というのは違いがあるかと思いますが、個人的にちょっと伺いたいのが、これまで、広告料、媒体広告料、ネーミングライツとかそういった収入を、各局各課でいろいろ努力されてこられたと思うんですけれども、そういった取組と収入といったものというのは、一覧になって、情報をすぐ見ることってできますでしょうか。 ◎黒木善一 財政課長  議員御指摘のとおり、自主財源の確保というのは、我々も非常に重要なことということで、これまでも一昨年実施しました使用料、手数料の見直しでありましたり、御紹介ありました都市計画税の見直し、それから税の方では収納率の向上対策、さらには御指摘のネーミングライツ、広告料収入等々、それから財政課の取組ではふるさと納税の返礼品の拡充による納税の確保ということで、様々な取組を行ってまいりました。  ただ、ちょっと一覧ということでありますと、今ちょっと思いつく範囲で申し上げましたけれども、財源確保に向けた取組は、今申し上げた項目以外にもあるかと思いますので、少し整理させていただいた上で、改めて御説明させていただければと思います。  以上です。 ◆古川智子 委員  ありがとうございます。  もちろん、使用料ですとか、収納率を上げたりとかという努力をされてきたと思いますが、個人的にこれを質問した経緯が、新しくつくらなくても、今あるものを利用して、活用して、広告媒体ですよね、広告収入に関しては、例えばごみ袋でしたり、ネーミングライツは先ほど、市民会館ですとかそういったところはありますけれども、各局で一旦見直して、あるものを生かせるんだったら、少しでも収入を得られる工夫ができるんではないかと思っているんですね。  なので、すみません、こちらもお仕事増やして大変申し訳ないんですけれども、媒体広告料の収入に関してだけでも、まとめていただけると助かります。  以上です。 ○大石浩文 委員長  では、今の自主財源の取組についても、政令市移行後の取組について、次回でも結構ですので、資料の方と、また併せて説明お願いしたいと思います。  ほかにございませんでしょうか。         (「その他でもいいですか」と呼ぶ者あり) ○大石浩文 委員長  結構です。どうぞ。 ◆平江透 委員  事前に配付してありました資料で、今、黒木課長から説明がありました後のページのところで、重要事項の詳細説明の37ページの6番の図表ですけれども、これはあくまでも案ということで配付してありますけれども、令和3年度の実際の要望書の28ページと、この図表、ここだけが変わっているんですよね、細かいんですけれども。  具体的に、固定資産税とか都市計画税関係の数字とか、個人住民税の関係とか法人住民税、事業税の関係とか、具体的に数字を実績の冊子は書いてあるけれども、今度の案はそういった個別に書いていない。何かここだけ違ったもんで、何かあるのかなと思って、お尋ねしたいと思います。 ○大石浩文 委員長  青本の方について。では、よろしいですか。 ◎黒木善一 財政課長  委員がおっしゃるのは、昨年度の青本の何ページでございますか。         (「28ページ」と呼ぶ者あり) ◎黒木善一 財政課長  6番の昨年度のページでいきますと28ページで、今年度の冊子でいきますと37ページの図表の関係かと思います。  これにつきましては、昨年度と今年度で税制がちょっと違っておりまして、特に、今年度におきましては固定資産税と都市計画税のコロナによる商業用地の本来上昇すべき課税標準額を、コロナの影響で事業者の方々が苦しい状況もあるということで据え置くという制度が、昨年と違う内容がございまして、税制上の違いを整理するために、この表は変更されているものと認識しております。 ◆平江透 委員  分かりました。しかし、違っていても同じスタイルで書いた方がいいかなと、ふと今思いましたけれども。  以上でございます。 ◆福永洋一 委員  歳出に関わっての話なんですが、昨日、老人会の役員の方と話しておったら、老人会の活動自体がコロナの影響によってほとんどできていないから、補助金を削減しようかという話が聞こえてきた。地域の団体に対する補助金は、相当な額いろいろなところに出されてあるんですけれども、老人会、自治会、コミセン、いろいろあるんですけれども、それを削減する方向で今話をされているのかな、それとも、各担当課がそれぞれ、コロナの影響で活動ができていないところについては削減しようかなという動きで、やり取りをされているのかなというところで確認したいんですけれども、市としての方針はあるんですか、何か。 ◎黒木善一 財政課長  補助金に関しましては、やはり必要性等々を毎年精査して支出する必要がある性質のものかと思いますが、ただ、今現在、コロナの影響で活動が縮小しているので補助金を削減しようとか、そういった全庁的な検討を行っているわけではございません。 ◆福永洋一 委員  老人会でいえば高齢福祉課になると思うんですけれども、そういった動きがあっているもんだから、老人会の代表者が削減するなよという何か申入れされたというふうに聞こえてきたもんですから、そのへんを把握されて、予算削減で地域……、いろいろな温度差があるんですけれども、コロナでほとんど活動していないところがあれば、それなりに工夫してやはり支出しているところもありますし、そこで、どこにどうやって削減するのかも含めて、削減してほしくないという思いで言っているですけれども、ちょっと動きも把握された上で、これは要望ですけれども、そういった動きがあっていますよということで、ちょっと報告させてもらいます。  以上です。 ○大石浩文 委員長  ほかに財政状況に関する検証についてございましたら、お願いします。         (「資料要求でもいいですかね」と呼ぶ者あり) ○大石浩文 委員長  はい、どうぞ。 ◆井本正広 委員  すみません、青本18ページ都市的課題ということで、平均交通量とか大気中窒素酸化物濃度とか、また一番最後、人口1人当たり土木費民生費とありますけれども、これ全項目について、熊本市の状況が分かればと思いますので、よろしくお願いいたします。 ◎黒木善一 財政課長  昨年度、特別委員会でもちょっと本市の状況を一部お示しさせていただきましたので、同様の整理をさせていただいた上で、御報告させていただきます。 ○大石浩文 委員長  よろしいですか。  ほかにございますか。 ◆光永邦保 委員  私からも要望ですけれども、今コロナ禍影響でという言葉が飛び交っているんですが、実際のコロナ禍の影響を客観的に把握するのは、非常に時間をかけてやるべきだと思っているんですね。  この間の決算報告のときも、コロナ対策のためにこういうことをやりましたという報告はあったんですが、コロナでどんな事業にどんな影響を与えたかというのは、この間の主要な260の事業の中の半分近くにそういうコロナの影響の書き込みがあるんですが、具体的に、ごくまれですけれどもコロナでリモートになって成果が上がった事業もあれば、もちろんダメージを受けた事業もあるし、これまでの大規模災害とは全く違った、非常に、人間の体だけではなくて、社会全体にいわく言い難い影響を与えていると思うんですね、これも未曽有の経験で。  そういうところを一度きちんと分析して、コロナの影響はこういうことだというのをまとめていただきたいということ、これは要望として、ぜひお願いしたいと思います。なかなか一筋縄ではいかないと思うんですけれども、ぜひよろしくお願いします。  以上です。 ○大石浩文 委員長  次ということではなくて、ということでよろしいんですかね。 ◆光永邦保 委員  そうですね。 ○大石浩文 委員長  ほかにございませんか。 ◆藤山英美 委員  一番最後の市債関係なんですけれども、これは平成23年から比較してありますけれども、通常分臨時財政対策債というのが大体同じような額になって、相当前から臨時財政対策債というのは問題化しているんですけれども、交付税の中にどういう割合で入っているのかも分からないような状況で、また、陳情項目の方にも毎年入っているということで、その重要性というのは分かるんですけれども、国の陳情に対する動向というのが分かったら教えてください。アバウトでも構いません。 ◎黒木善一 財政課長  臨時財政対策債につきましては、かなり残高も増えてきておりまして、地方交付税で償還は見られているという状況ではあるものの、この非常に増加する、本来、地方交付税で来るべきお金が臨時財政対策債に振り替わって、地方の借金の増加につながっているという課題もありますことから、青本でも毎年要望しておりますし、全国市長会や知事会からも同様の要望がなされております。  ただ、これがなくならない理由といいますのは、やはり交付税の原資となります国税が、地方が自分に見合う財源が今確保できないことから、こういった臨時的な措置が継続しているという状況にございますので、国の方としても問題意識は持っていただいているものと思いますけれども、そして税収と地方の需要のギャップがあることによって、現在まで継続しているものと認識しております。  以上でございます。 ◆藤山英美 委員  もう一つですけれども、決算で繰越額というのが相当出ているんですけれども、その中で、財調というのが物すごく減ってきているわけですね。積み増しすることはなかなか難しいと思いますけれども、その中で、どういうふうな財政の見通しというか、これは殖やすことはかなり厳しいかと思いますけれども、そういう考え方があるならば教えてほしいです。 ◎黒木善一 財政課長  財政調整基金に関するお尋ねでございます。  先ほど説明しましたとおり、以前は100億円の水準があったものが、地震の影響、それから新型コロナの影響ということで、現在37億円まで減ってきております。  我々としても、やはり熊本地震クラスの災害を想定しますと、現状で十分という認識は持ってございませんで、やはりコロナの終息等々、今現在はコロナ対策にやはり全力を傾注するという状況でございますが、これが平常時に戻れば財政調整基金を積み増すといいますか、増額については当然検討していくべき課題というふうに認識しております。  以上です。 ○大石浩文 委員長  よろしいですか。  ほかにございませんか。 ◆福永洋一 委員  先ほど指定都市移行後の検証についてということで4点示されて、財政状況に関する検証が今日行われたというふうに理解しているんですけれども、また2、3、4ということで進めていかれるんでしょうけれども、1点、3と4に関わってのやり取りでお話ししてもいいんですけれども、市民に対する行政サービスの視点というところでの検証が必要ではないかなと思っていますので、そういったところもひっくるめて、3と4に関わって、そういった視点の資料も出していただきたいなと思っています。  というのは、やはり政令市に反対されてきた住民の方たちもいらっしゃる中にあって、やはりきちんと総括しなければいけないと思っていますので、政令市になってよかった・悪かった点というところも含めて、最終的には、そういったところも含めて総括しなければいけないと思っていますので、いずれは市民アンケートもしていただきたいなと、これは要望ですけれども、政令市10年を迎えましたが、行政に対する満足度はいかがですかみたいなアンケートなんかも実施していただきたいなと思っています。  一つの検証の視点の話ですので、回答は要りませんけれども、これ要望です。  以上です。 ○大石浩文 委員長  では、今後のまた項目の議論の中で、ぜひ行政サービス、市民サービスの向上というか、そういった視点も入れて、また資料等も作成していただければと思います。  ほかにございませんか。         (発言する者なし) ○大石浩文 委員長  それでは、ほかに御意見がなければ、次回は、権限移譲に関する検証について、それと今日、幾つか資料が求められた件もございましたので、それも併せて執行部説明お願いしたいと思いますが、準備していただく内容について、また御意見等がございましたら、本職までお申し出いただきますようお願いいたします。  それでは、これをもちまして、大都市税財政制度都市問題等特別委員会を終わります。                             午前10時50分 閉会 出席説明員  〔政 策 局〕    局長       田 中 俊 実    総括審議員兼総合政策部長                                 原 口 誠 二    政策企画課長   井 上 卓 磨  〔財 政 局〕    局長       田 中 陽 礼    財務部長     河 野 宏 始    財政課長     黒 木 善 一    税務部長     下 川 哲 生
       首席審議員兼市民税課長         税制課長     荒 木   巌             藤 本 弘 明    固定資産税課長  門 田   実    納税課長     米 原 和 明...